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2 戦略なき事業
 雑貨業から飲食業界へ攻め込むからには、さぞや綿密な事業戦略があったはずだ。
「飲み友だちや知り合いに、シェフやパティシエがおったんです。『こんなんあったらいいよな』という話をしているうちに、僕には食器やインテリア類を調達するノウハウがあるし、お互い持ってるものを活かしてコラボレートできたらいいなってね」
 さまざまなシュミレーションをくり返しての市場調査や損得試算といった“石橋を叩きすぎる”ような事業計画は皆無だった。好きか、嫌いか「あ、これはイケるかも」といった動物的な勘と、人とのめぐり合わせが事業を動かす力になっている。そして自分のアンテナに引っかかったものは、すぐに実行してきた。移り軸が速い世の中だからこそ、“直感”経営が功を奏した。


 

≪KEY PERSON≫

明石 雅之氏(41歳)

≪PROFILE≫

1961年、兵庫県生まれ。3回生のときに大学を中退し、学生時代のアルバイト経験を活かして1984年に雑貨の輸入業を開始。1986年に輸入雑貨・古着を扱う「ハットトリック」を神戸・三宮の高架下にオープン。その後、「シュビドゥビダイニング」や「ザ・ライスガーデン」など、飲食事業にも進出。

≪COMPANY DATA≫

●設立●
1986年7月

●事業内容●
雑貨・生活関連雑貨のデザイン製造、輸入及び卸小売業、雑貨店のMD及びプランニング全般、オリジナル商品の企画開発、飲食店など

●所在地●
神戸市兵庫区会下山町2-4-4



 
取材・文/中野 純子  写真/滝沢 稔