関西人間図鑑  【第3回  

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初めは“なんだこりゃ?”って思った。
クラシックしか知らんかったからね
 ルイ・アームストロング(愛称サッチモ)が大好き。少年のときに出会って以来、ずっとてっぺんにいる彼を追い続けてきた。自分もサッチモの世界を表現したい。そのために200万円の借金をしてアメリカまで渡った。けれど、彼のことなんて結局なにもわからなかった。そのかわり、ラッパを聴きに来ていた画家に「あんたは世界共通の言葉を持ってるじゃないか」と励まされ、「one & only(あんたの音で十分さ)」という言葉をもらった。
 その寄せ書きを持って、日本に戻った。借金を返すためと、自分の世界を表現するために。「これでまちがってないんや」と実感したのはそれから25年後、『中山正治ジャズ大賞』を受賞したときだ。


 


≪分類≫
ミュージシャン目 
コルネット科

≪生息地≫
神戸市

≪年齢≫
45歳


≪分布≫
阪神地区のJAZZハウス

≪活動時間≫
24時前後

≪好物≫
パイプ

音楽
べっぴんさん

≪相棒≫
バニラの匂い

≪天敵≫
意固地な大人

 
取材・文/茅野 奈津子