関西人間図鑑　　【第２回】　　
　１＞２＞３＞４
 

監督になれなかったらヤクザをしていたな

　酒、タバコ、パチンコは小学校のときに覚えた。新学期に教科書を配布されれば、その日のうちに読んでしまう。だから授業は聞かない。
「監督になれなかったら、ヤクザをしていた」
　豪快に笑ったあと、今年70歳を迎える男がおちゃめなウインクを投げる。偏屈でやんちゃな少年がそこにいた。
式やシキタリはバカらしい
　12歳のとき終戦を迎えた。天皇陛下万歳と昨日まで言っていた教師が民主主義を唱える。世の中のシキタリや儀式がバカらしく思えた。式と名のつくものは大嫌い。教え子の結婚式や身内の葬儀より、バスケの練習を選んだ。なによりもバスケが最優先。８年通った大学の卒業式を自分の結婚式にあて、式を１つ減らした。しかしゼロにはできなかった。
「妻の親がどうしてもと言うので渋々。バスケの練習で、その日しか空いてなかった……」


 


≪分類≫
大阪商業大学バスケットボール部監督目
熱血親分科

≪生息地≫
東大阪市

≪年齢≫
69歳

≪分布≫
大商大体育館

≪活動時間≫
10時〜22時

≪好物≫
タバコ、コーヒー

≪相棒≫
元全日本選手　岡山恭嵩氏

≪天敵≫
シキタリ
 
取材・文／北村　守康