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人工ボディの生みの親 |
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人工ボディを命名、製作してから14年。ここへ行き着くには紆余曲折、様々な困難と直面してきた。
「幼少のころから絵を描くのが大好きで、高校時代はCADをはじめ、彫刻などを制作する工芸の学校へ進みました」
なるほど、物づくりの人間にふさわしい経歴だ。
「でもね、卒業後はホテルの専門学校へ進学したんです。なんでホテルなん? って思うでしょ。物づくりをしていると商品を売る人が要る。そのためには接客が必要になるでしょ。それがいちばん学べる場所やと。だから、接客の授業は出ても、語学の授業は出えへんかったなぁ」
さすが、職人根性である。その後、とある会社に勤める。
「社長の思いつきで、補綴製品の開発を任されることになってね。その矢先、会社が借金を抱えて社長はトンヅラ。人間不信ですよ。なのに、お客さまから義肢にかかる多額な前金を受け取っていたからさぁ大変。落ち込んでいるヒマはなかったな。前金を頂いていたお客さまから『あなたの苦労や努力は知っている。前金はあなたの勉強費用として渡したつもりでいるから』と言われて、死ぬ気で勉強したよ」 |
人工ボディの生みの親 |
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しかし、当時は人工ボディを製作できる人間も、技術を教えてくれる師匠もいなかった。そんなとき、テレビでなにげなく観ていた1本の映画からヒントを得ることになる。
「その映像に吸い寄せられて、これはイケると思ってね。伊丹十三監督の『スウィートホーム』っていうホラー映画なんやけど、『エクソシスト』などの特殊メイクで知られる特撮界の大御所による最新のSFXで話題を呼んでいただけに、すぐに伊丹十三さんの事務所を調べて電話を入れたんですよ」
と同時に、特殊メイクの専門学校の門を叩く。
「そやけど、授業料を聞いて愕然。前の会社が借金まみれでお金がなくて。イチかバチかで事務所の人に相談したら、私の仕事を理解してくれてほぼ授業料は免除。これはもう、なにか見えない力で導かれているというか、逃げ出したい気持とは裏腹に、私は人工ボディを作る運命なんかなと思い始めたころでもあったんです」 |
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≪分類≫
姉御肌目
人工ボディ技師科
≪生息地≫
大阪市住吉区
≪年齢≫
34歳
≪分布≫
工房アルテ内
≪活動時間≫
週3回は9時過ぎまで工房
その後はママ業
≪好物≫
布団(寝るの大好き!)
最近は愛娘と石集め
≪相棒≫
愛娘の七海ちゃん
≪天敵≫
好きなものも嫌いなものも人間
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