関西人間図鑑  【第22回  

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海を越える縁
 最近は日本でも作品集が堂々と販売されるほど、春画が日本美術として受け入れられるようになった。そんなことでは満足できずに、染色の技術と日本画の技法を駆使して、春画を新たなカタチで甦らせていく。帯や長襦袢はもちろん、鞄、ガマ口やきんちゃくといった小物、さらにアロハシャツまで。“山本流春画”の数々は、いま京の和装小物店に並んでいる。
「若い子たちの反応は、正直言うと両極端。恥ずかしがる子もいれば、かっこいい! って気に入ってくれる子もたくさんいる。新しい縁がどんどんできていってるわ。こうした人から春画がさらに広まっていったり、次のアイデアが生まれたりね」 
 春画は縁起もんだとも言われるらしい。祝うだけじゃない、現代の春画は“縁を起こす”もの。
「これからは外国の人にも、この日本美術を身につけてほしいな」  
 次なる楽しみにまた、ふふっと笑った。
■04年10月1日掲載。データなどは掲載当時のものです。


 


≪分類≫
日本美術目 
染色科

≪生息地≫
京都・太秦

≪年齢≫
47歳


≪分布≫
京の街

≪活動時間≫
24時間

≪好物≫
描いたり考えたりする時間

≪相棒≫


≪天敵≫
描いたり考えたりすることができなくなった自分

 
取材・文/チノナツコ