関西人間図鑑  【第17回  

 >2>
 

ポケットには100円ライター
 「じつは、高校を1週間も経たないうちに退学処分になってね。そう、札つきの元ヤンキーなんですわ」と、はにかみながら紫煙をくゆらす。
「未成年やったから、会社へ就職するのはムリでしょ? 土木はしんどいし、美容師も面倒くさい。唯一、残った道が料理やったんです。母親は料理が苦手でね。だから、小さい頃から自炊してたし、作るのは嫌いやなかった。ほんで、年齢を偽ってバーテンダーの門を叩いたんです。ある日、その店の常連さんから、和食の店を手伝わへんかって誘われてね」
 15歳の春である。
「けど、1ヵ月もしないうちに辞めたんです。どうやら、僕は人から指示されるより、主導権を握りたいタイプのようでね」
 その後、ステーキハウス店など、転々と飲食店をハシゴした。


 


≪分類≫
元ヤンキー目 
オーナーシェフ科

≪生息地≫
大阪市北区与力町

≪年齢≫
34歳


≪分布≫
アル・チェントログループの店舗

≪活動時間≫
9時〜24時

≪好物≫
飲むこと(とくに焼酎)

≪相棒≫
パスポート

≪天敵≫
人間

 
取材・文/松原 宏子