関西人間図鑑 【第10回】
| 子どもが好きやねん | |
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| スーパーでレジ待ちをすると、主婦に囲まれる。講演の依頼はあとを立たない。まるでスター並みの人気だ。
近所のパチンコ屋へ行けば、必ず大金を手にする。店の前の道にクルマを停めても、駐車違反のチケットを切られない。理由を訊いても、笑み浮かべるだけ。単なる居酒屋のマスターではなさそうだ。 「託児所は30年以上前から経営してるで」 なんと、全盛期には２００人の子どもを自社ビルで預かっていたという。 「子どもが好きやから」 それだけの理由で託児所をはじめる人も珍しい。 そういえば、『虎』の客の多くはマスターの子どもくらいの年齢だ。カウンターの中で、時折、客たちに視線を投げる。みんなが楽しんでいるのか、チェックしているのかもしれない。客が子どもで、マスターが保父さんに見えてきた。 |
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取材・文／北村 守康