Since 【第8回  

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2 「オモロイ」がとりなす縁
「僕は小さい頃からずっと、吉本新喜劇を観る感覚でプロレスを観てた。『笑い、涙、感動あり』みたいな要素は同じちゃうかな。プロレスはあくまでもエンターテインメントやねん」
 2年前、大阪・フェスティバルゲートに常設会場『デルフィン・アリーナ』を設けたのも、エンターテインメントにこだわるためだ。巡業があたりまえのプロレス界で、大阪プロレスはホームグランドを持つ唯一の団体である。
「吉本やったらNGKがあるでしょ。エンターテインメントを確立するには決まった場所が必要なんです。フェスゲを管理している銀行はいやがったけど、所有者の大阪市は乗ってきた。担当者がプロレス好きやったから『オモロそうやん』ってね」
 オモロイことをするなら、アノ会社も巻き込まない手はない、と笑いの殿堂・吉本興業に旗揚げを報告。当時の名物常務・木村政雄氏が「ワシもちょうどそんなんやってみたいと思ってたとこや」と賛同してくれた。想いを理解してくれる人との縁が推進力になった。こうしてマネージメントは吉本興業に一任した。


 

≪KEY PERSON≫

スペル・デルフィン氏(55歳)

≪COMPANY DATA≫

●設立●
1999年4月

●事業内容●
プロレス団体。プロレス会場運営、オリジナルグッズ販売など

●所在地●
大阪市浪速区恵美須東3-4-36 フェスティバルゲート2F



 
取材・文/中野 純子  写真/滝沢 稔