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4 仏様に守られた仕事
 現在、和光舎には全国の寺院から年間4200件もの依頼が来る。法衣の呼び名、たたみ方は宗派によってさまざまだ。取引をするなかで覚えたり、実際に教えてもらったりすることもある。こうして蓄えられた各宗派の法衣に関する知識は会社の大切な財産となっている。
「これからも同業者は現れないと思います。なにせ、社長の私が儲からない会社ですから」そう言いながら、9年間も続けてきた。
「きっと仏様にええ仕事やから守ったるわと、そう言われているのかもしれませんね」
 企業というよりは“職人集団”を自負する和光舎。オシャレなな内装の社内では、京都1200年の歴史に育まれた、いぶし銀の技が息づいている。
和光舎のツボ
京都の伝統産業である「京洗い」を基本に、京の地が育んだ伝統技術を持つ技人の手によって傷んだ法衣や袈裟を丁寧に修理・復元。職人たちの磨きのかかった技によって「蘇生率100%」を実現している。
■03年8月16日掲載。データなどは掲載当時のものです。


 

≪KEY PERSON≫

西谷 謙二氏(55歳)

≪PROFILE≫

[生年・出身地]
1948年香川県生まれ

[趣味・特技]
人間ウォッチング

[座右の銘] 
計りごとは小さい。
時は大なり。

≪COMPANY DATA≫

●創業●
1994年5月

●設立●
1996年2月

●事業内容●
法衣の丸洗いと補修、宗教美術織物の企画制作

●所在地●
京都市伏見区新町3丁目487



 
取材・文/チノナツコ  写真/滝沢 稔