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4 欠陥商品を売る
 言葉は生きもの、翻訳にパーフェクトはありえない。「だからいつも欠陥商品を売ってるんです」つねに変化し続けるモノと勝負する自分への戒めであり、自信の言葉でもある。
「人によって、話し方や使う言葉は千差万別。機械翻訳はつねに発展途上です。絶えずレベルアップを求められている。それだけにやりがいがありますよ」
 20世紀中の引退を考えていたが、社員がそれを許してくれなかった。「棺桶にパソコンを入れておくから、あの世からアイデアをメールしてくれ、なんて言うんですよ(笑)」
 現在は携帯電話の翻訳ソフトでも新市場を創造し、業界をリードしている。「外国語を音声で認識し、即座に希望の言語に変換するものです。恋愛に国境もなくなりますよ」国際派カップルの誕生率も、グンと伸びそうな予感だ。
高電社のツボ
S&S(ソフトウェア開発とそのサポート)をスローガンとする、日本のパソコン業界のパイオニア。日本語ワープロソフト『マイレター』など「世界初」製品多数。今後は同社の携帯翻訳ソフトから目が離せない。
■03年7月1日掲載。データなどは掲載当時のものです。


 
≪KEY PERSON≫

高 基秀氏(68歳)

≪PROFILE≫

1934年、韓国・済州島生まれ。
中学生のときに知人を頼り来日。早稲田大学卒業後一時帰国するが就職口がなく、再来日。大学時代のアルバイト経験を活かし、電気工事会社に入社。5年後、電気工事会社を興す。1979年、社員2名と株式会社高電社を創業。

≪COMPANY DATA≫

●設立●
1979年7月

●事業内容●
ソフトウェア開発販売、パソコン周辺機器販売、インターネット販売・情報サービスなど

●所在地●
大阪市阿倍野区昭和町3-7-1



 
取材・文/中村 神無  写真/滝沢 稔