Since 【第24回  

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2 レーザー溶接の優位性
 同社が販売するレーザー溶接機「PP200」は、日本の従来の溶接に比べると、素材の熱による変形がないばかりか、溶接前の予熱や、溶接後の処理を必要としない。さらに狭くて深い溝の奥でも溶接できるという優れた点を持っている。この溶接機を使えば、キャブレターやギアボックスなど自動車の特殊な部品や造船用の部品など、気をつかう精密加工も簡単にやってのける。
「レーザー溶接なら、厚さ1ミリ以下のステンレスでも溶接可能です。細かい電子部品でも大丈夫なんですよ」
 日本の溶接機よりもコンパクトでパワーがあるだけに、価値を実感できれば決して高い投資ではない。
3 飛び込みの自転車営業
「最初はFAXで営業していたけど、反応が鈍かった。だから、自転車であちこちまわりました」  20年間愛用しているスイス製の自転車に跨り、東大阪の街を走りまわった。
「でも、飛び込みだったし、押し売りと思われて社長と話もしてもらえなかった。外国人だしね」 見るからにゲルマン民族の顔立ちをした背の高い白人が町工場に現われて、けっして流暢とは言えない日本語で話す。なかなか受け入れてはもらえなかった。それでも地道に足を運び続けた結果、FAXによるDMだけでは見向きもしてくれなかった金型工場の社長や職人たちが、レーザー溶接の威力に少しずつ耳を傾けてくれるようになった。


 

≪KEY PERSON≫

クラウス・シュミット氏

≪PROFILE≫

[出生・出身地]
1964年 ドイツ・アーレンタウン

[趣味・特技]
レーザー溶接、
陸上競技の短距離走

[座右の銘] 
ケンタロウ
(愛する息子の名前)


≪COMPANY DATA≫

●創業●
2004年7月

●事業内容●
金型産業におけるレーザー溶接、レーザー機器の販売

●所在地●
大阪府東大阪市高井田中1-5-3 産業技術支援センター3階5号室

 
取材・文/國澤 汐  写真/小島義秀